保護するということ

種子島では、ウミガメの保護ということで卵を掘り起こして安全な場所に埋めなおしている。
そもそも人間という一生物が、他の生物に対して保護するとか、管理するとかしてもいいものだろうかと思う。
生態系保護学というものを大学で専攻していた。生息数調査でねずみの指を切り落としたり、数が増えすぎた動物を害獣と呼び、駆逐する。そんなことができるほど、人間というものは賢く、優れている生き物だろうか。
野生動物には本能が備わっている。生き残っていくために。
スズメバチは台風の来るのを予知して巣を作る。
ウミガメも、自分で自分の卵を産む場所を選んでいる。子孫を残す為に。
わたしはウミガメではないけれど、もしウミガメだったら、自分の産んだ卵を掘り返して欲しくない。自分の本能を信じたい。
何が正解だとか、何が間違っているとか、確かなことなんてなにもわからないけれど、わたしはそう思う。
生物は一個の生き物として生まれ、自分の本能を頼りに、生きるも死ぬも自分の行動の結果の上にあるのが自然の道だと思う。それで死んでしまうのなら、それも自然の道だと思う。栄えるものは栄えて、滅びるものは滅びる。
ウミガメの足跡を見つけて喜んでいたら、掘り返された跡があった。違う場所に竹を立てて標識をつけ埋めた跡があった。「ウミガメ 121個」とか、「ウミガメ No.1」とか書いてあった。その横には「ウミガメを保護しましょう」という文字。
保護って何だ?
なんとなく上から目線。
命というもののありかたについて、いろいろ考えさせられる出来事でした。