海に還る

半年以上もアカプルコにいるのに湾の外を知らなさ過ぎると言われ、連れていかれた友達の家。
一緒に住んでいる彼女がウミガメの保護をしていた。
ウミガメが卵を産みに来る時間を見計らって、4輪バギーでパトロール。

どんなところに産むんだろう?
やっぱり静かで暗いところかなと思っていたら、2日続けてピカピカと電気の輝く高層コンドミニアムのすぐそば。
電気とか人とかあんまり関係ないのね。
見つけたら掘り起こして持って帰り、順番に埋めなおす。
感触はペコペコのピンポン玉。

卵が孵るまで45日。
人々が来てウミガメについて学び、考え、一人一匹ずつ海に還す。

どこか知らないところで保護して守るのではなくて、こうしていろんな人の手によって確実に数を増やしていく。
何年か前に、種子島で掘り返して埋めなおしているのを見て腹を立てたのを思い出した。
こういう積極的な方向が、確実に生息数を増やしていっているのを感じた。
野生への冒涜と感じる人もいるかもしれないけれど、人間が絶滅に追い込んでしまったもの。
日本の法律では難しいのかな?
もっとみんなで考える。
みんなで守る。
お祭りで捕まえて食べた自分も、こうして数を増やして欲しいと思う自分もどっちも現実。
放された子亀は、8−10年太平洋で生きて、生まれた浜に帰ってくる。
いい波の来るこの浜でいつかまた会えますように。