Vancouver Islandの西海岸は、世界で二番目に雨の多いところだそうです。
大きな木々のそびえたつ、Rain forest。
苔に覆われた木が太陽の光で輝く、Moss forest。目の覚めるような緑緑緑。

一つの命が消えて、そこから新しい命が生まれる。何十年も、何百年も何千年も、脈々と続く一つの大きな森という命を作り出す。
なんだかそんな、大きな命の中に包まれていると、どうやってお金を稼ごうとか、仕事はどうしようとか、こんなことを続けて歳を取ったらどうするんだろうとか・・・・・考えていることが、不安になっている自分が、とても小さく感じられる。
全ての命は、生まれて死んでいく。
毎日毎日を精一杯生きて、それでだめなら死んで消えてしまうだけじゃないかと、わたしの一つの命が消えても、次にまた新しい命が次々と生まれてくる。それでいいじゃないかと、なんだか少し気が楽になった。
死への不安は人間誰しもどこかに持っているものだと思う。いつか必ず来るものだから。
お父さんが死んだ時、初めて死んだ人に触れた。
命の消えた体は、こんなにも冷たくなってしまうものなのかと驚いた。なんだか怖くなった。
命というものはなんなんだろうかと考えた。
何が私たちの体を動かしたり、喜んだり、悲しませたりしているのだろうかと考えた。
もうそろそろ10年になる。
その答えは見つかっていないし、答えなんてたぶん自分が死なないとわからないんだろうと思う。
命のあふれる森の中を歩いている時、もう恐れるのはよそうと思った。
植物のように、動物のように。
毎日をただ生きて、ある日命が消える。
願わくば、私の命の抜けた体が、次の命につながりますように。
倒れた木々に、小さな種が芽を出すように