風で進む船

本当に、風だけで船が動くなんて・・・・と単純に感動する。
帆を揚げてエンジンを止める。風を受けて、船が音もなく走り出す。
全身で風を感じる。
風も船も、絶えず動き続けて、その向きを感じるのはなかなか難しい。
風上に向けて、ジグザグに進むのをComing about、同じように風下に進むのをGybingという。
Sailを揚げるロープをHalyardと呼び、Sheetsと呼ばれるロープで風に合わせて帆の向きを操作する。
まだまだたくさん、初めて聞く名前ばかり。
船のことだけじゃなくて、緯度とか経度とか、GPSの使い方だとか、あちこちに立てられている目印の意味とか。
自分の知識と経験が、危険から身を守ってくれる。
無事に港に帰ってこれるように、楽しい航海をするために。
エンジンで進む船のように、目的地に向かってまっすぐ進むわけではなく、あっちに行ったりこっちに行ったりしながら、それでも前に進んでいく。
なんだかこういうのっていいなあって思う。
風がなければ進まないし、強すぎても海に出られない。
自分の思うとおりにはなんにも進んでくれない。
まるで人生のよう。