矛盾だらけ。

水温の測定に池の間を移動中、怪我をしているらしく飛べないでいる鳥をみつけた。
どうしようかと思って思わずつかまえて車に乗せた。
測定が終わって事務所に戻った。
その鳥を見せた途端、殺せといわれた。
そんなことできないので走って逃げて、草むらに放した。
カモみたいな平べったいくちばしをした小さな黒い水鳥。
エビを食べにきている害鳥だって。
なんで逃がしたかと怒られた。
会社の損害だって。
大切に育てたエビを食べられる、傷つけられる。
怒るのも当然か。それが仕事だから。エビを商品として育てているから。
でもそれでも殺したくない。
エビを毎日、死出の旅に送りながら、偽善者ぶって鳥を助けたふりをする。
たくさんの矛盾。
エビを殺しているのも本当、鳥を助けたかったのも本当。
なんだか少し混乱した。
なんだかよくわからなくなった。