失ったものと、手にしたもの

公園の駐車場で寝た。朝日が水平線から昇ってくる。島に来たなあと実感する。
2600年前から、わずか100年前までネイティブの人がすんでいた浜。
今は美しく整備され、近代的な建物が立ち並び、人々が犬を連れて散歩する浜。
浜には流木がたまっている。
この流木で、料理をしたり、暖まったり、海に出て行く船を作っていた人たちも、時代も、どこか遠くへ行ってしまった。

わたしもぴかぴかしたヨットがたくさん並んだアリーナで、講習を受ける。
アルファベットの羅列した、2cmはあるだろう分厚い本をもらう。
時代は流れる。抗うことはできない。
今出来る最善を尽くす。
最近友達になった人に言われたこと。
心を穏やかにして、自分の体が発する声を聞けって。
私の体は何を語りかけているのでしょうか。
小さな、ゆっくりとした声で語りかけると言うその声を、聞いてみたいと思った。